「プラチナハーケン1980/海堂尊」

このブログでは読んだビジネス書や小説、マンガの感想を備忘録も兼ねてオススメしていきます☆
皆さんが読みたいと思えるきっかけになれば嬉しいです☆

プラチナハーケン1980

今回は講談社出版、海堂 尊さんの「 プラチナハーケン1980 」です☆

【本日の内容】

読むきっかけ
ラベル
-ジャンル
-発行年月日
-ページ数、読了時間
内容
-第1部 真夜中のドア
-第2部 北ウイング
-第3部 そして僕は途方に暮れる

「プラチナハーケン1980」の読むきっかけ

ブラックペアンシリーズがすべて面白かったので今回の「プラチナハーケン980」も手に取りました!
シリーズの時系列は以下のようになります。

プラチナハーケン1980

ブラックペアンシリーズの最新作は、時系列的には1番古い位置付けとなります。
渡海征司郎がオペ室の悪魔となる成長と葛藤の物語となります。

ブラックペアン1988

シリーズ最初の物語です。
チームバチスタシリーズにも繋がる物語です。

ブレイズメス1990 スリジエセンター1991

2024年7月7日(日)から始まる二宮和也さん主演の新ドラマ「ブラックペアン2」の原作です。

「プラチナハーケン1980」のラベル

ジャンル

小説、医療

発行年月日

初版:2024年7月3日

ページ数、読了時間

320ページ(ハードカバー)、7.5時間で読了

「プラチナハーケン1980」の内容

相関図

プラチナハーケン相関図

第1部 真夜中のドア-

P8 1章 抜擢
関東の雄として名高い東城大学医学部の佐伯外科で開かれる症例検討カンファレンス。
黒崎誠一郎講師が来週手術予定の患者のプレゼンを終えるも憮然とした表情。
それもそのはず、遅れてきた渡海征司郎の代わりにプレゼンをさせられたようです。
佐伯教授はこの渡海に来週行われる下部食道癌の手術を任せるよう。
3年目の研修医に下部食道癌の手術を任せるのは異例。
それを聞かされた渡海はカンファレンスをほっぽりだして患者の状態の再検討のため病棟に向かい、黒崎講師はさらに怒ります。

入局一年生の垣谷は食堂切除術の術者に指名された渡海に話しかけ教えを請いますが渡海は無下に断ります。
「天才は凡人を教えることはできないんだよ」

天才でもありますが渡海のスキルが高い理由はほかにもあります。
読書栄養士
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臨時スタッフ会議が開かれ、黒崎講師が「三年目の渡海に食道切除術を任せるのは早すぎます」と異議を申し立てます。
高野助教授も「渡海君の技術の高さは瞠目すべきものだが早すぎます」と意見します。

「瞠目」驚いたり感心したりして、目をみはること。(コトバンクより)
読書栄養士
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「医療現場での正義とは人命を救うことで、それ以外は全て蛇足だ」と佐伯教授は黒崎講師の異議を却下します。

オペ至上主義ですね!
読書栄養士
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P22 2章 席巻
術者・渡海、第一助手・佐伯教授、第二助手・黒崎講師の布陣で食道切除術が始まります。
渡海のメス捌きに思わず見惚れる黒崎講師。
渡海のスピードの秘訣は夾雑物の中に埋もれている血管あっという間に露出させ、結紮のスピードも速くて正確なところにありました。

「夾雑物」あるものの中にまじっている余計なもの。(デジタル大辞泉より)
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「結紮」糸などで結ぶこと。特に、止血などのために血管などを縛って結ぶこと。(デジタル大辞泉より)
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閉腹を佐伯教授にお願いするも断られた渡海は黒崎講師の怒号を聞きながらも閉腹していきます。
藤原看護師の器具出しのタイミングに感心しながら。

2日後、同じオペメンバーが役割を変えて手術に臨みます。
第二助手の渡海はハーケンを用いた裏方仕事をしながら佐伯教授の全ての挙措が静かで滑らかで、出血もほとんどない手技に感嘆します。

「挙措」立ち居振る舞い。(デジタル大辞泉より)
読書栄養士
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佐伯教授と渡海は桜宮にあるフレンチレストラン、シェルブールでサーロインステーキを食べながら会話を交わします。
その席で佐伯教授が大改革を行うにあたり、渡海にハーケンになってもらいたいと告げられます。
渡海は了承し、「プラチナハーケン」と呼ばれるような道具になると宣言します。
そして術式の変遷を調べるという課題が渡海に与えられます。

佐伯と渡海の師弟関係が良好な様子が伺えます。
読書栄養士
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P40 3章 碧翠院
渡海は愛車を走らせ碧翠院桜宮病院に向かいます。午前の外来を終え、院長の長女、桜宮葵が淹れた珈琲を飲んでいると背後から桜宮巖雄院長に声を掛けられ、午後の仕事に取り掛かるよう言われます。

渡海の午後の仕事とは行政解剖。桜宮市の解剖は桜宮病院が一手に引き受けています。
巖雄院長は渡海に特別な課題を課します。
それは遺体を手術患者に見立てて、手術を実施した後に解剖して死因を調べるといったものです。


こうすることで時間はかかるものの手術手技を習得することができます。
実は佐伯教授から依頼があり、渡海を預け碧翠院で訓練をさせていたため、渡海の実力がついていたのです。
オペ兼解剖をしながら渡海は巖雄院長に佐伯教授や巖雄院長、市民病院の鏡部長にまつわる過去について聞いてみるも濁され教えてもらえません。
控室に戻ると、葵から自分が医師に向いていないのではないかと相談されます。
葵の本当の悩みは「兄さんのように桜宮家を捨ててもいいのか」ということ。
桜宮家には長男・亮がいて、極北大学医学部を中退して巖雄院長に勘当されていた。
亮はミュージシャンになるためには身体の仕組みに通暁した方がよいと考え医学部に入り基礎医学を修学した時点で中退します。
退学する前日に亮と飲んだ渡海は亮に「患者を救う気がないヤツが医者になるな」と怒ります。
その後、亮は退学届を提出し、ミュージシャンの道を進んでいくわけですが、渡海は少し後悔していた様子。
話を聞いた葵は子どもの面倒を見る仕事に就きたいがとりあえず医学部に進学する決心を固めます。
そして渡海は葵にこう告げます。
「やりたいこととやれること、そしてやるべきことは全部違うんだ」

「通暁」ある物事についてたいへん詳しく知っていること。(デジタル大辞泉より)
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P58 4章 神威島
渡海征司郎は神威島へ行き、父・一郎と一緒に釣りをします。
渡海の母・美代は神威島一番の別嬪だったが、征司郎が幼いころに亡くなったため、母の記憶はほとんどない。
釣りの帰り道、征司郎は父が東城大を辞めた理由を尋ねます。
しかし、一郎は理由を話したがりません。
IVHの研究で日本トップを走っていた一郎が東城大を辞めた理由とは。
濡れ縁でホタルをきっかけに父と母のなれ初めを聞き、照れくさくなった征司郎はホタルの由来には、『火垂れ』と『星垂れ』の2つがあることを話します。
一郎は「少し冷えてきたな」小さく咳き込みます。
征司郎はまだ八月の末なのに冷えてきた?とかすかな違和感を覚えます。
居間に戻ると、テレビから臨時ニュースが流れてきてどうやら極北市の郊外にある炭鉱で大規模な落盤事故が起きた模様。

この落盤事故もこの後の展開に絡んできます。
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P74 5章 根城
渡海は総合外科図書室の管理責任者に任命されます。
まさか酒席の戯言が現実になるとは。
佐伯教授の蔵書を移動させようと教授室を訪れるも蔵書の量に渡海は思わず立ち眩み。
なんとか図書室に蔵書を運び込み、渡海は蔵書の整理と並行してスピーカーなどの取り付けなども行い根城を築いていきます。

図書室兼音楽室といったところでしょうか。
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P86 6章 同門会
東城大のOBも参加する研究発表の場、同門会にて発表することになった渡海が愚痴っていると巖雄院長から雷が落とされます。

同門会は新行寺龍太郎同門会長の挨拶で始まります。
一・二年生の発表が終わると、次は渡海の番です。
タイトルは「総合外科学教室における食道切除術の一例」。
OBの先輩方から妬みを含んだ質問を浴びせられるも佐伯教授の助けもありなんとか発表し終えた渡海。懇親会もこっそり抜け出しオペ室の根城に戻った渡海はジャズに耳を傾けます。

第2部 北ウイング-

P104 7章 鉗子
桜宮病院での解剖を終えた渡海は巖雄院長に同門会での発表するネタとして腹腔内に手術器具の置き忘れ事例はどうかと問いかけてみると怒られます。
渡海がなぜこのような問いかけをしたのかというと、その日の午前中に診察した患者、飯沼達次がきっかけでした。
カルテには飯沼の情報がほぼ記載されていないため、レントゲンを確認してみるとなんとペアンの影が。
飯沼によると当時の佐伯助教授によって特別待遇で月に1回、診察を受けていた様子。
異例の待遇に渡海は不気味さを感じたため、巖雄院長に同門会にかこつけて話題にしたところ、予想以上の反応が返ってきたので迂闊に踏み込めないと感じた渡海。
患者本人の状態が良好のため、ひとまず問題なしとし東城大病院にてカルテを確認してみることに。
手術室の副婦長に抜擢された藤原真琴看護婦に頼んで飯沼達次のカルテを確認したところ、桜宮病院のカルテとほぼ同じ内容が書かれているだけ。渡海の疑念は深まりー。

東城大の闇が顔を覗かせます。
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会食する佐伯教授と巖雄院長。
渡海に突かれては困る過去の不都合な真実とは?
渡海をステップアップさせ、そして過去を蒸し返させないために佐伯教授が用意した任務はオランダで行われる国際外科学会にて佐伯の名代として発表することでした。

「名代」ある人の代わりを務めること。また、その人。代理。(デジタル大辞泉より)
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P120 8章 風車
オランダに到着した渡海は時差ボケのせいであまり眠れず散歩に出掛けます。
そして渡海にしては珍しく自身の外科医人生を振り返ります。

ホテルに戻ると、渡海は垣谷と一緒に朝食を摂りながらオランダに来ることになった経緯を振り返ります。当初は嫌がっていた海外での発表も事の重大さと父が訪れてみたいと思っていたオランダでの開催という点も加わり、渡海は渋々ながら了承したのでした。

そして学会三日目、ついに渡海の発表の日がやってきました。

渡海以上の問題児が現れます。
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P134 9章 波乱
渡海が小会議室に 入ると帝華大の西崎教授とテキサス大学のジャクソン助教授が言い争っています。
どうやら演者の1人がドタキャンしてしまったため、ジャクソンが自分もキャンセルしてシンポジウムをなくそうと考えているようです。
仕方なく渡海が説得を試みます。
結果、発表順の変更やディスカッションの中止にすることをジャクソンが提案し、2人も了承します。
会場に入りジャクソンがドクター・アマギがドタキャンしたことを告げると聴衆の半分が席を立ちます。
波乱の幕開けとなったシンポジウムはジャクソンの発表から始まります。
ジャクソンの発表が終わると聴衆はさらに減り、西崎教授の発表が終わるとほぼ聴衆はいなくなりました。
しかし、帝華大の一人、高階権太はその場に残ります。
渡海の発表が終わるとジャクソンは粗探しのような質問をし、さらには帝華大の問題点まで指摘し始めます。
馬鹿馬鹿しくなった渡海を遮るようにして高階がジャクソンに異議を申し立てます。
そんな大波乱の中、大役を果たした渡海が会場から出ようとすると派手な立ち居振る舞いの男性に声を掛けられます。その男性の名前は天城雪彦。

この後のブラックペアンシリーズに出てくる重要人物が続々と登場します。
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P146 10章 綺羅星
天城からドタキャンした理由を説明され納得した渡海。
さらに天城からお茶に誘われ、実は佐伯教授との因縁について話があると言われ同行することにした渡海。
天城の口から渡海が知りたかった東城大総合外科学教室の因縁の手術の一端について聞かされます。
垣谷と夕食を食べ、酔い潰れた垣谷をホテルに連れて帰りソファに寝かせた渡海に男性が声をかけてきます。
なんと、桜宮亮でした!

亮はベルギーで行われる音楽フェスに出演し、さらに国際外科学会にて渡海が発表することを知りオランダにやってきたようです。
大学生の頃に戻ったように語り合い飲み明かした亮と渡海。

翌日、渡海は垣谷を連れて父に勧められた日本の近代医学の基礎を作った蘭医たちが学んだ土地、ユトレヒトを訪れます。
ユトレヒトからホテルに戻った渡海宛に電報が届いており、内容は-チチシス。シキュウカエレ。

P168 11章 葬送
征司郎は帰国するなり神威島に向かいます。
父の自宅に向かうと父と一緒に診療所で働いていた久世敦夫と対面します。
死因ははっきりせず、脳卒中か心筋梗塞だろうとのこと。
その時、征司郎の脳裏に巌雄院長の言葉が蘇り、父の遺体をレントゲン撮影することになります。
すると父は進行した肺癌であることがわかりました。
4年前に会った際にも咳き込んでいたことを思い出し、悔恨の気持ちにあふれる征司郎。

現役の医者ならなおさら身内の病気の兆候に気付いていたのに何も言わなかったことに後悔しそうですね。
読書栄養士
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葬儀の翌日、久世から4年前に起きた落盤事故について聞かされます。
この落盤事故の現場にいた久世は炭鉱会社の不備を指摘してしまい解雇されてしまいます。
僻地診療に携わってみたいものの働き口が見つからず途方に暮れていた久世に声を掛けたのが渡海一郎でした。
そこから久世は診療所で一郎とともに働き始めます。
一郎が亡くなった今、恩返しのために診療所で働き続けたいと申し出る久世に征司郎は感謝の意を述べます。
そして久世から「佐伯外科は大丈夫ですか?」と問われる征司郎。
意味がわからず戸惑う征司郎に久世は一郎が亡くなる前日に東城大の医師が一郎の元に訪ねてきたことを告げます。
久世はその医師に会ってはいないものの、医師が帰った後の一郎は珍しく怒っていたようです。
果たして一郎の元を訪れた医師とは誰なのか。そして要件は何だったのか。


P182 12章 暗転
久しぶりに東城大に戻るとなんだかギクシャクした様子。
垣谷によると、高野先生が脳外科、小室先生が小児外科としてそれぞれ佐伯外科から独立するのでは?という噂で持ちきりのようでした。
学会の報告を兼ねて佐伯教授の元を訪れた渡海は独立の真相を聞いてみると、佐伯教授から両先生に促したようです。
しかしまだ独立させる気のない肺外科の木村先生の方が前のめりに独立を検討していて困っている様子。
そんな中、渡海は助手になるよう勧められるもきっぱりと拒否します。


桜宮病院に海外土産を持参すると、花菱女子医大に進学した葵が夏休みで帰省していました。
そして巖雄院長に天城先生から真行寺外科の伝説の手術、心臓バイパス術の真相を聞いた旨を伝えると、巖雄院長は絶句します。
そして手術の内情を渡海に打ち明けます。
翌日、渡海が久しぶりに根城に入ると白い封筒が置かれていました。
中を見ると1枚の手紙が。
そこに写っているのは神威島の診療所に入ろうとしている佐伯教授の後ろ姿。
そして写真の裏には「親の仇に尽くす戯け者。いい加減に目を覚ませ。」の一文が。
なぜ佐伯教授は渡海がいない間に父の元を訪れたのか。
そしてその事実を隠す理由は。
飯沼達次のカルテの筆跡は父のものであることも思い出し、渡海は混乱します。

学会発表で有耶無耶になっていましたが、飯沼達次の件もあり渡海に再び疑念が湧いてきます。
読書栄養士
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第3部 そして僕は途方に暮れる-

P202 13章 不羈
新年会に誘われて久しぶりにバー、シャングリラを訪れた渡海。
垣谷が婚約したことで浮かれ話を聞かされます。
一方、東城大学医学部の教授会では佐伯教授が脳外科部門の独立を諮ります。
すると総合内科学教室の神林三郎教授が佐伯教授を質問攻めにします。
激しい攻防の末、2カ月後の教授会で脳外科学教室の独立について議決するということになりました。
そして2ヶ月後の教授会で全会一致で脳外科学教室の独立が決まり、さらに循環器内科学教室の独立も決定しました。
総合外科学教室でも脳外科学教室の独立がスタッフに発表され、高野新教授から挨拶がありました。
それに伴いポストに動きが見られたものの渡海はどのポストにも就かず。
周りのスタッフは不思議に思うものの渡海本人はどこ吹く風でいつも通り手術をこなし、根城に引きこもるスタイルは変わらずです。


P218 14章 望蜀
新入医局員の数が減り、さらに木村講師が反旗を翻そうとしている様子に危機感を募らせる垣谷のために渡海は人肌脱ぎます。
佐伯教授に現状を進言しに行くも教授は意に介さず。
逆に教室内のいざこざに介入する姿に失望したと言われる始末。
そこで渡海は佐伯教授が目指す姿を聞きます。
佐伯教授の懐の深さと度量の大きさに敬服した渡海。
同じ方向を見て共に歩んでいくように見えた二人が残念ながらそうとはならずー。

続きは小説にてご確認ください。

ブラックペアン1988 をもう一度読み返したい!

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