“愛する家族はなぜ殺されたのか”を解き明かす検証会のはずが、なぜ?から誰?に―「あなたが誰かを殺した/東野圭吾」
このブログでは読んだビジネス書や小説、マンガの感想を備忘録も兼ねてオススメしていきます☆
皆さんが読みたいと思えるきっかけになれば嬉しいです☆
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
今回は講談社出版、東野圭吾さんの「あなたが誰かを殺した」です☆
【本日の内容】
ラベル
-ジャンル
-発行年月日
-ページ数、読了時間
読むきっかけ
内容
-感想
-今回の言葉メモ
「あなたが誰かを殺した」のラベル
ジャンル
小説、ミステリー
発行年月日
初版:2023年9月21日
ページ数、読了時間
309ページ(ハードカバー)、5時間で読了
「あなたが誰かを殺した」の読むきっかけ
東野圭吾作品なので!
「あなたが誰かを殺した」の内容
相関図
栗原朋香:中学生、ミステリー好き
栗原正則:朋香の父、公認会計士、メルセデス・ベンツ
栗原由美子:朋香の母、美容院の経営者
櫻木理恵:医者の娘、結婚予定、櫻木病院事務局勤務
的場雅也:理恵の婚約者、内科医、ボルボSUV
櫻木洋一:理恵の父、櫻木病院院長
櫻木千鶴:理恵の母、
山之内静江:未亡人
鷲尾春那:静江の姪、看護師
鷲尾英輔:春那の夫、薬剤師
高塚俊策:経営者、オープンカー、パーティーの主催者
高塚桂子:俊策の妻
小坂均:高塚の部下、セダン
小坂七海:均の妻、
小坂海斗:均の息子
金森登紀子:春那の先輩、加賀を紹介、
加賀恭一郎:警視庁刑事部捜査第一課、春那の同行者
桧川大志:犯人
久納真穂:朋香の同行者
榊:刑事課長、高塚の同行者
あらすじ
事件前
別荘に集まる裕福な栗原家・高塚家・山之内家・櫻木家の人たち。そして恒例となったバーベキュー・パーティー。
「大人というのは不思議な生き物だ。どうしてあれほどうまく表と裏の顔を使いわけられるのだろう」
中学生の栗原朋香にとっては不思議で仕方がない親を含めた大人のやり取り。
栗原正則・由美子・朋香の3人も戸締りをしてバーベキューへと向かいます。
櫻木理恵の買い物に付き合わされた、理恵の婚約者で内科医の的場雅也は櫻木家の別荘に到着すると、櫻木病院院長・櫻木洋一と世間話。洋一によると、任命した大臣に不正が発覚した総理に人を見る目がないとダメ出し。人材を扱う際に最も重要なことは身体検査だと豪語します。
各家の面々が揃い、バーベキュー・パーティーが始まります。
お互いの意地の張り合いで表面だけの付き合い?とウンザリする朋香。
朋香は高塚の部下、小坂家の息子・海斗の相手をして退屈しのぎ。
「毒針は隠し持っていてこそ武器になる」
高塚桂子が毒づいたあの女の正体とは?
桂子の誕生日が近いということで千鶴と由美子はこっそりとプレゼントを渡します。高塚家との付き合いをこれからも大事にするために、高塚家の実際の権力者である桂子に取り入ります。
「裏の顔のない人間なんていない」
高塚家のキーパーソン、桂子夫人に対しての由美子の気になる一言。
パーティーが終わり、栗原家が帰宅すると別荘のカギが開いていた―。
別荘内を調べてみても特に不審な点は見られないため、そのまま眠りにつくことに。
朋香はベッドに入っていたがなかなか寝付けず。
すると夜中にも関わらずチャイムが鳴った。両親の寝室に行くも両親はおらず。
仕方がなくドアを開けに行くと警察官など数名の男性が立っており、車庫に連れて行かれ男女2名が倒れているから朋香に顔を確認してほしいと言われ―
鶴屋ホテルに訪れた一人の男性。二万五千円の鶴屋スペシャル・ディナーを注文し、さらにモンラッシェにシャトー・マルゴーを頼む贅沢三昧。
深夜に起きた別荘地殺人事件の影響かキャンセルが相次ぐ鶴屋にとってはありがたい存在だが、この男は何者?
この男は食後に支配人を呼ぶと警察を呼んでほしいと。
理由を尋ねると、「俺が犯罪者だからだ。君たちも別荘地で起きた事件のことは聞いているだろ?その事件の犯人は俺なんだ」と言いながら血のついたナイフを皿に置く。
鷲尾春那は金森登紀子に別荘で起きた事件の相談をし、刑事の加賀恭一郎を紹介されます。
春那は加賀に事件当日に起こったことを話します。
パーティーの片付けを終えベッドで微睡んでいるとサイレンの音で目を覚ます春那。
何が起きたのか知るために春那の夫・英輔は別荘の外へ向かいます。
15分ほど経っても英輔が戻らないことから春那は探しに行こうとするも叔母の山之内静枝に制され静枝が見に行くことに。
春那は小さな光が目に入り凝視すると誰かが倒れているのを発見する。
春那が裏庭に向かうとそこにはナイフで刺され血まみれの英輔の姿が。
パーティーの参加者に犯人の桧川大志と面識がある者はおらず。
生きている意味を感じないので死刑になりたいという願望と自分を蔑ろにした家族への復讐が動機とのこと。
動機は語るものの桧川が犯行の詳細を語らないため、遺族が集まり検証会を実施することに。
この検証会の同行者として加賀にお声がかかる。
加賀が気になったのは桧川の神経を刺激した理由。
周囲から目立つほど騒いでたわけではない遠く離れた場所にいた彼らがなぜ狙われたのか。
検証会の舞台は桧川が晩餐を楽しんだあの鶴屋ホテル。
遺族が集まり検証会が開かれます。
そして春那は自宅に届いた一通の手紙のことを加賀に言い出せずじまい。
そこに記されていたのは短い一行、「あなたが誰かを殺した」
父・櫻木洋一を亡くしたいまだ精神が安定しないため理恵は参加出来ず。両親を亡くした朋香は寄宿舎の指導員・久納真穂と共に参加することに。
そして高塚俊策が同行者として連れてきたのは地元警察刑事課長の榊。
こうして加賀が司会の元、検証会が始まります。
検証会第1部
まずは事件当日の各自の行動を確認することに。
警察に通報したのは櫻木千鶴。娘の理恵が洋一が倒れていることを発見し悲鳴を上げたため、すぐに救急と警察に通報します。
犯人がまだ近くにいるかもしれないということで、理恵の婚約者で内科医の的場雅也は洋一のことは2人に任して、犯人を探しに行くも刺されてしまいます。
高塚桂子は高塚俊策や部下の小坂夫妻がバーにいる間に居間で胸を刺されます。
小坂の息子・海斗が犯人らしき人影を目撃していたことがわかります。
そして栗原夫妻が最後に発見されます。
久納は事件を整理するために必死にメモを取るも榊に咎められます。
当時の流れが参加者一堂に共有されたところで、一度休憩に入ります。
そして櫻木千鶴が一言。
「もしかすると真相を突き止められるかもしれないわね。もっとも―それがみんなのためになるかどうかはわからないけれど」
このセリフが意味することとは―。
検証会第2部
久納はホワイトボードをじっと眺めている様子。
検証会が再開し、犯人・桧川の足取りを確認していくことに。
高塚家の別荘の防犯カメラのコードを切断した犯人は体格や歩容認証から桧川だった。
栗原家の別荘の防犯カメラではSDカードが抜かれていたが盗まれたかどうかは不明。
遺体発見時刻と防犯カメラの時刻から桧川の行動を推察していく。
ただただ偶然性が高い無計画な犯行なのか。それならばなぜ防犯カメラを無効化したのか。なぜ栗原夫妻は車庫で殺されたのか。なぜ桂子が一人でいることがわかったのか。なぜナイフの数が合わないのか。なぜグリーンゲーブルズという空き別荘に住人はいないことを知っていたのか。
共犯者あるいは内通者がいる?
食事会
高塚の提案で犯人・桧川と食べたものと同じものを食べることに。
鶴屋スペシャルディナー:俊策、千鶴、的場、小坂、朋香、久納、春那
Aコース:ディナー:静江、榊
Bコース・ディナー:加賀
事件の報道のされ方や別荘をどうするかなどの話をしながら食事が進み、高塚グループで過去に問題となった過剰労働問題について経営責任者の桂子がネット上でたたかれていることが話題に。
他にも高級美容院の経営者である栗原由美子がヘアデザインのコンテストで優勝した際も仲間のアイデアをパクった疑惑が出ていたり。
被害者にはそれぞれ恨みを買っていた?
食後に検証会の続きをしようとするも結局は解散することに。最後に千鶴が便箋の送り主がこの中にいないか問いかけます。そこには春那のもとに届いた手紙と同じ、「あなたが誰かを殺した」の文章が―。
そしてこの手紙は関係者全員に届けられていることが分かります。
誰かのいたずらなのか、その真意は?
加賀とバーで待ち合わせていた春那がバーに到着すると、そこには七海の姿が。
桂子夫人はただただプレゼントをもらって喜んでいたのではなく、「この別荘地に集まってくる女たちはみんあしたたかだ、女狐や女豹ばかりだ」とこぼしていたよう。
加賀が誰のことを指していたのか聞いてみるも七海は口を閉ざします。
七海と入れ替わるように久納がバーにやってきます。
久納によると正則にも黒い噂が。それは資産家の会社の乗っ取り疑惑。徐々に別荘に集まった人たちの背景が明らかとなり、それぞれきな臭い噂がある様子。桧川はネットでこれらの噂を知り犯行に及んだのか?
2日目
春那が朝食を食べていると千鶴が向かいの席に。
どうも理恵と的場の結婚に納得がいっていない様子。
すると的場がやってきて理恵が検証会に参加するために向かっているとのこと。
実際は参加したがる理恵を千鶴が止めていたよう。
理恵が検証会に来たらまずい理由とは?
検証会第3部
なんと久納は指導員ではなく、桧川の妹であることが明らかに!
兄が犯行を犯した理由を探るために参加したとのこと。
そして加賀の推理は「この中に共犯者がいる」。
机上の空論は終わりにして、一同現場検証へ向かいます。
現場検証から導き出された犯行の詳細とは?
そして誰が誰を殺したのかー。
現場検証
明らかになった共犯者から発せられた一言
「死刑でもいいのに」
真相がわかってもなお的場に言い聞かせた櫻木理恵の一言
「誤解しないで。あなたが変わらなければ、私だって受け入れる気はないから」
感想雑記
ちょっとしたきっかけから大事になっていくんだなと。
「今度の総理は本当に見る目がないな」という洋一のセリフは岸田さんをディスってる?
春那の予想通り金森が自分は検証会に行かない方が良いと判断したのならすごい冷静だなと。
「歩容認証」が気になって調べてみると、実際に大阪大学でも研究されているようです。
「我々は部外者ですから」と、この小坂の軽はずみな発言がどう影響するのか?
小6の息子を残して(桂子がいるとはいえ初対面の人だし)七海はなぜ別荘に一度戻らなかったのか。
「ナイフで肉を切るのが楽しくなってしまいます」小坂の軽はずみ発言その2
加賀って元教師だったんですね。
警察は各別荘の捜査が緩い?血痕とかもう少し調べれそう。
今回は生成AIで画像を作成してみましたが、暴力的な描写は作成できないみたいですね。
今回の言葉メモ
憤懣やる方ない
心のわだかまりを晴らす方法がない。(コトバンクより)
揚言
声を大にして言うこと。公然と言いふらすこと。 (コトバンクより)
気になった方はぜひお手に取ってみてください☆